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Shorinji Kempo

ニャンパラ道院長のお話しにゃ

今日はとても怖いことがありました。

僕の家は引佐町でも山の中の的場というところに住んでいます。

今日は午後から道院に練習に行くので、朝からお父さんと二人、ブレーブボードを坂道で走らせ遊んでいたんです。

今では上手になり、格好よく滑っていたんですが、目の前に蛇がとぐろを巻いていて

それを避けるために思いっきり転んでしまったんです。

お父さんが僕の方に夢中で駆け寄ってきてくれたんですが

その時に蛇を思いっきり踏んでしまったのです。

ヤマカガシという比較的おとなしい毒蛇だったのですが

この時期はマムシの方は、おなかに赤ちゃんがいて狂暴になっているので

もし、マムシだったら大変なことになっていたところでした。

道院長にこの話をしたら、怪我がなかったからよかったけど

少林寺拳法をしているんだから受け身ぐらいとれよ」と言われてから、

道院長の昔話を聞きました。

高校生の頃に自転車に乗っていて、大学生が無免許運転で乗っていたバイクに側面衝突され跳ね飛ばされ、空中で一回転してニャンパラリと猫のように体を捻って足からきれいに着地して構えをとっていたというのが落ちでした。

「一生懸命に修行していると受け身が体に身に付き、いざというときに勝手にできてしまうんだよ。だからしっかり練習しような。」

と言われました。

僕も、なんかあったときにニャンパラリと受け身が取れるように、しっかり練習しようと思います。

道院長はマムシがおなかの中で育つのを初めて知ったと驚いていました。

皆さん、蛇にかまれたら嚙んだ蛇の種類を知らないときはスマホで写真を撮っておくといいんですよ、覚えておいてください。

僕たちの道院長は猫好きのニャンパラ道院長です。

一緒に楽しく少林寺拳法をやってみませんか。

楽しい仲間を募集中です。                            

 

「おかあさん」じゃなく「はは」と言えるようになった君も成長しているよ

僕はまだ背も伸びていないし、足のサイズも小さいままなので、とても悔しい思いをしています。

ぐんぐん背が伸びている人がいて、その子は三か月前に買った靴がもう小さいからと新しいのに買い替えたんです。僕も早く大きくなりたいです。

僕には中二の姉(あね)がいるんですが、母(はは)が最近の姉を見ていて褒めるんです。

「友達の家へ遊びに行ったときに、しっかりとした行儀や挨拶が出来ているようなのよ。」と言っています。

友達のお母さんにお菓子や食べ物を出してもらったときに、しっかりとお礼が言えたり、きれいにこぼさないように行儀よく振舞えているらしいんです。僕は・・・。

 

姉には「外面が良いな。家では一人でソファーに寝転がり僕が座りたくても座れないことが多いのに・・・。」と感じたりすることも多いんだけど、母は姉を褒めているし大切なことなんだと思います。

この話を道院でしたら、さと子先生から

「外面が良いってとても大切なことなのよ!! 他人とのコミュニケーションがよく取れるようになるかは第一印象が大切なのよ・・・。」と教えられ、

道院長からの「君たちが大きくなって恋人が出来、相手のご両親に挨拶に行くようになったとしよう。どういう服装で言ったら良いのか考えてみなよ。ジーパン姿かい? それともスーツかい? 当然、スーツだろ。彼女のことを大切に思うなら自分がしっかりした人間だとご両親に感じて頂けるように努めるのが当たり前だよな・・・。」という説明は良く分かりました。

 

続けて、「少林寺拳法の演武を行うときも、演武を始める前の入場の仕方や始めた時の構え、姿勢などで善い姿勢を示せるようにすることが大切なんだよ。」と、教えてもらいました。

 

金剛禅の道院は、本当にいろいろなことを教えてくれる楽しい場所です。

一緒に楽しめる仲間になりませんか、見学に来てください、歓迎します。

                            和月

 

握力が無いなら、親孝行しなさいだって、なんで?

今日、学校で握力を計ったんだ。

利き手で16キロ。

クラスの男子の中でも、握力が無い方だったんだ。

とても悔しかった。

お父さんにそのことを話したらハンドグリップという道具を買ってきてくれて

一生懸命に何回も速く「握って開いて」を繰り返していたんだけど

握力を計りなおしても、ほとんど強くなっていなくてガッカリしたんだ。

すごく頑張ったのに・・・

久しぶりの道院の練習に行き、道院長やさと子先生にその話をしたら

そういう道具は速く使うのではなくて、ゆっくり使うんだよ・・・。」

と教えてくれました。

どうして、ゆっくりが良いのか聞いてみると「腕立て伏せを早く10回やってみろ」

と言われ、やってから、今度は「ゆっくり、腕立てを1回やってみろ。」と言われ、やってみて分かりました。

「ゆっくりの方がすごい辛かった。」

それから、ハンドグリップなんかより、もっと良い道具があるんだぞと言って

道院長が教えてくれた方法があります。

それは少林寺に伝わる体を鍛える方法の一つなんだそうです。

その方法なんですが一升瓶に砂を詰めて、片手で持ち、それを左右に振るという方法で

疲れたら、逆の手に持ち替えて続けるという方法だと教えてくれました。

一升瓶ってどんなものか聞いてみると、

「え!知らないんだ?じゃあな、お母さんに道院長から『一升瓶を用意してきて』といわれたよ。砂を詰めて練習に使うんだって。お父さんに中身を出して砂を詰めてもらいな。」と言われたよ。

道院長が「お父さんに親孝行が出来るぞ!!」と言っていました。

なぜ、お父さんに親孝行になるのか分かりません。皆さん教えてください。

 

                           和月    

他人に説く力を持つことから始めていたら・・・

今日は開祖の言葉を考える その➀

開祖は私たちに「リーダーになりなさい。」と説かれましたが、いくら金剛禅を学び、少林寺拳法で身体を鍛えても、他人に対する「説得力」を持てなければリーダーにはなれません。

 

人前に立ち話し、理解して共感していただくということはとても難しいことなのです。

先ず、知識が必要ですし、それに人前に立つ胆力がなければ、上がってしまい、何も伝えたい事を言葉にして話すことは出来ないでしょう。

人前に立ち、準備した言葉を並べても共感を得ることは出来ません。聞く人から見れば、単に「放送」にしか聞こえていないのです。

 

私は献血の呼びかけを街頭に立ちお願いしているのですが、「献血をお願いします」という看板を持って、単に「献血をお願いします。」と呼び掛けても、ほとんど効果はありません。

今、どういう方たちがどういう状況で血液を待ち、何型の血液がどれだけ欲しいのか。それを人前に立ち話し掛けることで、善意を引き出し、背中を心で押すから、その心に応えて献血に向かってくださる方がいるのです。

 

「今の自分に何が出来るのか、そして、将来、何が出来る様になりたいのか。」そう自問自答をしながら金剛禅を学んできたことで、私はこうした活動が出来る様になってきたのです。

金剛禅では「鍛えたこぶしはどこへ行く」と説き、「半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを」に対する実行を促しました。是非、そうしたことに目を向けられる仲間として育っていって欲しいと願いながら指導しています。

 

金剛禅の道院では「少林寺拳法を超えた少林寺拳法」と呼び、社会に貢献する仲間づくりを行っています。是非、お近くの道院に足を運び、道院長と話してみてください。見学・ご相談をお待ちしています。

                         道院長 江間秀樹

引佐道院 連絡先

江間 携帯 090-3835-9109

Mail hideki362018772@gmail.com

(皆さんからのご意見・相談をお待ちしております。)

季節は秋、緊急事態宣言も解け

さあ皆さん少林寺拳法を始めるのにはとても良い季節の到来です。

何か、新しいことにチャレンジするのには勇気がいりますね、昨日までの緊急時邸宣言の中、私たち金剛禅の指導者もzoomの活用やホームページの立ち上げと様々な取り組みを始めました。年齢もありますが、新しいことに疎く、これまで通りに真面目に取り組んでさえいればどうにかなるだろうという考えが、今回はまったく通じず、新型コロナは私たちのコミュニケーションの機会を破壊しました。

今後もコロナウイルスの蔓延による集会が禁止される事態が起こる可能性は大きいということを考え、取り組まなければなりません。

今日は「少林寺拳法を学んでいたから出来た」という事例が昨日あったので、ご紹介致します。

私が勤めている会社での出来事です。

一緒に働いている年配の女性、Mさんが「忙しい中、悪いんだけど明日、病院に行ってから出社するよ・・・。」と言ってきたのです。

「どうしたの?どこが痛いの?」と聞くと

「手首がすごく痛いんだよ、力仕事をしていて痛めたみたいなのさ。」

というので見せてもらいました。

「あ!これね手首の関節がずれているんだよ。チョッとした運動で治ると思うからやってみていいかい?」と聞くと

「見てくれるのかい。運動で治るかね。」

「関節を維持する力の衰えでずれやすくなっているのが原因で痛めたようだから大丈夫だよ。」

関節を運動させながら痛みの走り方を聞きながら「整骨」の操法を行うと

「あれ!不思議だね。ズキズキしていた痛みが無くなったよ。」とMさんに笑顔が戻ったのです。

(手首の関節が正常な位置に戻るように補助しながら戻したのです。世間でいう整骨術です。)

少林寺拳法では突いたり蹴ったりする技を「剛法」。逆をとったり投げたり、固めたりする技を「柔法」。崩れた体調を整える技を「整法」と呼んで学んでいるのです。

私は中学生だったころから体調を崩していたのですが、高校時代に少林寺拳法を習い始め、先生から整法をしてもらい、体調を戻したことに魅力を強く感じ、現在まで続けられる切っ掛けになったのです。以来、勉強しまくり得意中の得意になったのです。

Mさんが昨日、「あんたすごいね!今日は何にも痛くないよ。主人に話したら、そりゃあ何か技術を持っている人だろ。」といわれたそうです。

私が「少林寺拳法の技なんだよ」と答えると驚いていました。こんなことも出来る様になっていくのです。とても興味深くありませんか。

 

さあ、一緒に少林寺拳法を身に付けてみませんか、スポーツとしてやり始めるもよし、生活をよくするための手段として学ぶもよし。いろいろな要望に応えながら一緒に学べるのが金剛禅の道院です。ぜひ、見学や相談にいらしてください。

 

                    道院長 江間秀樹

  連絡先 090-3835-9109

  Mail  hideki362018772@gmail.com

       (ホームページへのご質問、いつもありがとうございます)

 

 

この子は庇われて当たり前という考え方では・・・

「障がい者の就労について教えてください・・・。」へのお応えです。

「自分の都合の良い様に、自分は楽なように、自分は庇われて当たり前」等々の利己的考え方を持って、その欲求が抑えられないと、集団の中では浮き出し自分の居場所は失われてしまいます。

自分を特別だと考えるお子さんに、その根拠が何処にあり、他者からも正当に評価されるものなのか冷静に考えさせてみることです。

他人にとってはあなたこそが他人。あなたのために負担を負ういわれはないわけです。

あなたなら、一緒に精一杯働こうとせずに、負担を増やす他人に力を貸しますか?

「バカバカしい。そんなの貸すわけがないだろ。」と答えるでしょう。

それが、他人との協調性も持たず、努力もしないあなたに対する周囲からの評価だと気が付かせることです。「あなたの周囲で働く人にとってあなたが特別だという正当に認められる理由がない。」ことを教えなければなりません。

仲間や同僚として、力がなくても真面目に頑張ろうという姿勢があるから、自分に負担があっても、力を貸しあうことが出来るのです。

「障害があるから庇われて当たり前・・・。」

と考える福祉や家族の考え方こそが、現実に目を向けていない勉強不足なのです。

先ず、冷静になって考えてみてください。

障がい者の周囲で同じ仕事をしている人達に、高給取りがいると思いますか?

普通のパート代ぐらいしか貰っていない人や最低賃金で働いている研修生がほとんどなのが現実です。

お母さんなら低賃金でも、しっかりと面倒を見ながら自分に与えられた仕事もこなし、頑張れますか?・・・無理ですよね。それが、普通の考え方であって当たり前の事なのです。

 

合理的配慮というのは、会社が考えることであって、隣で働く人に求めるものではないのです。会社にしても働きやすい配慮を求められるだけで努力してくださいという程度の事なのです。

だからこそ、ある程度の訓練がなされ、努力することを覚えていない者に、就労を維持していく事は出来ないのです。

周囲が面倒を見すぎる環境に染まってしまうと庇われて当たり前と思い込んでしまいますが、それは、理想論であって何の対価も保証しない押し付けでしかないことを福祉も知り、正当な対策を勉強しなければならないのです。

障害があっても働こう、頑張ろうという気持ちがある人が企業就労を目指せるのです。負担の受け入れというスタンスでは、周りで働くパートさんたちがどんどん辞めてしまい仕事も回らなくなってしまうのが現実です。

企業への就職を目指したいというのであれば、一度、あしたか訓練校を見学に行ってみることです。取り組んで行くべき方向性が理解できるようになると思います。

そして、ご家庭でも教育を維持して行くことが出来なければ、就労は維持できません。

是非、金剛禅を学んでみませんか、少林寺拳法はとても良い教育と訓練になると思います。

 

                     道院長  江間秀樹

凡を非凡へと磨く術があります

今日は質問へのお応え 5回目

『 ⑤数をかけ経験知・判断力を養う(経験したことを記憶する訓練)

 

「理解すること」と「出来ること」とは違います。理解不足・不慣れでは仕事に「滑らかさ」が出せません。経験を積み重ね洗練された動きの獲得、「そのタイミングでそれを行う」という訓練が重要です。       』

この部分に対するご質問ですね

「同じことをやろうとすると、飽きて集中できなくなってくるので、なかなか、上達は難しいのです。」というご意見だったと感じました。

 

これに対するお応えは「目標の持たせ方を工夫すること」だと思います。

「こうなるためにはこれが必要なんです。こうしなさい。」という指導の仕方すると、一見、目的を説いているように見えているのですが、この方法では目的自体に自分の意思が生まれず理解できていない場合が多く生じます。集中力や熱意を持った行動を生み出すことは難しいでしょう。

 

私はよく質問をするのです。「君はこうなりたい。それとも、こうなりたい。どちらが良いと感じますか?」という質問です。価値観を高く持てるように誘導していく事で「目的にに向けた努力」を引き出すのです。そこで「こういう手段があるのだけどやってみるかい?」と促し、次にちょっと先生の手を見ていてごらん。今からグーとチョキとパーを出すからね。

「グー、チョキ、パー」「グー、チョキ、パー」「グー、チョキ、パー」「グー、チョキ、パー」「グー、チョキ、」

みんな、次に先生が出すのは何かな?

生徒たちはみんな大きな声で「パー」と答えてくれました。

『みんな同じ事を繰り返していると、次がどうなるのか分かるようになることが多いだろ、それに、迷うことが無くなり、早くできるようにもなるよね、さっき動画で見た、お兄さんの仕事はとても速かったよね、こうやって出来るようになったんだよ。あんなにしっかり働いてくれる人が仲間にいたら君なら「助かるな」と思わないかい、「邪魔だ」と思うかな?』

「それが、戦力になって支えあうということなんだよ」と教えたのです。子供たちは目を輝かせながら、その後のお話にも集中してくれていました。

 

金剛禅では、「やりなさい」という苦行ではなく、目的意識を引き出す、養行を練習形態としています。「修行」とは言わずに「修養」と呼んでいるのもその姿勢から生まれた言葉です。釈迦の教えにもあるように、張り詰めすぎた弦は切れるが、少し緩んだ弦は良い音を出すという取り組み方なのです。

どなたでも安心して始めることが出来ます。少林寺拳法を始めてみませんか。

最寄りの道院に見学にお越しください。

                                                                 道院長 江間秀樹

mail hideki362018772@gmair.com

 

 

 

 

 

学んだこと、鍛えた力を発展させ維持していく理の力

『 ④理解する努力(間違いや、無駄をしない訓練)

 基本をしっかりと身につけると、自分のやっていることが本当に理解出来るようになってきます。  』                            

 

少林寺拳法を習い始めると学ぶときに、「上手な人をみて真似、やり方を聞いてみましょう。」という指示がなされます。どの道院でも丁寧な指導を心掛けていますが、指導者たちに共通して備わっているのは、観察する力です。高段者になるほど無駄や斑が省かれ、理に基づいた動きを体得するようになってくるからです。

 

仕事でも同じことが言えます。一日八時間労働として、それをまともに働きぬける体力とは結構、障がい者にとって高いハードルとなるでしょう。しかし、知的障害者に与えられる仕事には、座りながら行える職種などは、そうあるものではありません。体力を補う工夫が必要なのです。

 

あしたか訓練校では、これを身に付けさせるために。四角い鋼材を切り出し、万力に挟んで鉄やすりで球体に磨き上げるという訓練で、作業に強い姿勢を身に付けさせています。

こうした、訓練は就労を維持していく上でとても大切なことなのですが、特別支援学校を見学しても皆無でした。

 

労働基準法では、重さ10kg高さ1m以上の作業について、軽減できる工夫を企業に求めていますが、逆に言えば、これに耐えられ対応できる体力を持ちなさいということでもあるのです。

 

心と体の両面から正しい姿勢を身に付けながら、体力を身に付けられるのが少林寺拳法の特徴でもあります。

少林寺拳法は、最寄りの金剛禅の道院で「修行の一環」として指導されていますので、心と体の成長を求めて始められてはいかがでしょうか。どの道院でも随時、体験入門を行なってもらえますので、親子でご相談ください。

 

私からのアドバイスとして、学んだこと、鍛えた力を発展させ維持していく力は、家庭に根源がなければなりません。親御さんの正しい支えが重要なのです。ぜひ、ご相談や見学にいらしてください。

基本がしっかりとしていてこそ、理想を現実にかえることが出来る

『 ③基本動作や約束の確立

約束を守らせ、怠らせない。「約束を覚えられるか」ではなく、「維持ができるのか」が最大のポイントとなります。  』

今日は「約束を守り続けることは就労する中ではそんなに難しくなってしまうのですか?」というご質問へのお応えです。

 

少林寺拳法を学び始めたころに、基本をしっかりと身に付けないと、高い技術は身に付けられないぞと学び、格好の良い派手な技術よりも一つ一つの突きや蹴りの技術を磨けと習ったものです。

そんな私が武専(指導者養成機関)の教員として、各地へ指導に行きながら主に伝えているのは、攻撃よりも防御である受けの技術だったりしています。

少林寺拳法は主守攻従(守ることが主で、攻撃は完全な防御の後という教え)の技術ですから、守ることがしっかりできていてこそ、より深い技術が身に付けられるというのが、私の自論です。

なんの防具も付けていない自分のおなかに思いっきり蹴り込みをしてもらい、それを、姿勢による人体の強化で跳ね返したり、布切れのように緊張を無くし吸収したりして、物事に対する陰陽両面の取り組み方をみせ、自分の身に付けた技術を「信じる」という胆力に変えていく事を説き、その力で人前に立ち、人を説得できる力を身に付けなさいと説いています。

 

さて、先日の笠井中学校の授業で話した基本の大切さについてですが、知的障害を持った部下たちを育てるのに、一番に注意していなければならないのが、約束を守らせ、それを、維持し続けられるように見守り続けることにあるのです。

聖隷クリストファー大学からの依頼で「障がい者の就労維持」について共同研究した際に、見えてきたのは、約束事を覚えてもそれが適切な指導と管理がなされず、放置されると「粗雑化・簡略化・省略化」が起き、求められている行動が取れなくなり、その行動が定着してしまうまでに放置されると、修正が出来なくなってしまうのです。こうなると作業で機械を使っているような場合、故障だらけで作業にならなくなってしまい、品質や生産量ばかりか作業の安全性さえ確保できなくなってしまうのです。

皆さんが何かを習い始め、しばらくすると、行動が滑らかになり、上達し始めるのですが、知的障害を持った人たちには、この部分を周囲がしっかりと見守り、適切な上達をコントロールしないと、行動に対する無駄の省き方のさじ加減が理解できずに、出来ていたはず、教えてあったはずの仕事が出来なくなってしまうのです。

だから、学校教育で必要なのは「約束を守る大切さを教え、その姿勢を守って行動していく」ということを教えなければならないのです。

・能率的順序を徹底的におぼえる

・確認動作を行ないつづける

・基本的な自分の担当範囲をおぼえる

・動作で余裕が作れるように訓練

・他との互助をおぼえる

この様なことをしっかりと教え込んでいく事で戦力として育てているのです。

訓練教育では、こうした姿勢を学んで社会に出ますが、通信制の普通教育や養育・福祉的教育では学ぶことなく就労を目指すことになります。そんな状況ですから、約束は二週間も維持されず、自分勝手な行動が目立つようになり崩れてしまうのです。

二週間も実習を続けていると家庭や学校、福祉は負担として認め受け入れてほしいと考えるのですが、企業では二週間も教えているのだからもう覚えて仕事が出来るようでなければ受け入れられないということになってしまうのです。

中学校で学んでいることを、維持し続けられる力が家庭になければ維持していく事はとても難しいことなのです。

金剛禅の道院はそのお手伝いが出来ると思います。最寄りの道院を探して相談してみてください。

『最小限の動きで、最大限の成果を引き出す』理を生み出す

質問へのお答え (その2)

『障がい者にも生産性を求めるのですか?』

 

少林寺拳法を学ぶと最小限の力で、最大限の成果を引き出すことを学びます。老人でも女性や子供でも相手を効果的に倒す技術、それが「当身の五要素」です。

障がい者スタッフにしっかりとした成果を出してもらい、雇用を守っていくためには、周囲の負担にならない「戦力としての力」が重要になってきます。

それには、生産性を高めた手順を生み出し、動きを維持し、洗練させるための工夫が必要です。ユニバーサルデザイン化もその一つですが、工夫だけでは「安全性・品質・生産性」の三条件を満たし、維持していく事は出来ません。少林寺拳法の当身の五要素のように、絶大な効果が必要なのです。その工夫を身に付けるために必要な条件として、手順を維持できる姿勢が身についていなければなりません。

 

『   ②手順をまもる

          約束を守れない方の指導は困難であり「安全性・生産性・品質」が保てず、必要とされません。』

 

とは、障害を持っていても戦力として「安全性・品質・生産性」を高く保つことが出来なければ、生産の現場では何もさせることは出来ないということです。企業にはPL法(製造物責任法)、各法律への対応が求められるからです。

しかし、働きやすく、理解しやすいい環境(ユニバーサルデザイン)と教育を工夫することで、戦力として育成していく事は可能なのです。

これが出来きる企業では、法定雇用率を超えて障がい者雇用を伸ばしていく事が出来るのです。

 

「手順を守る」ことは、それを可能にするために必要な絶対条件です。障がい者にとって、学校教育期間中に身に付け、卒業後は家庭で維持していなければならない重要な事項なのです。

 

しかし、訓練教育以外では、なかなか、この教育は難しく、未成熟なままの企業への丸投げは、障がい者雇用を困難なものにしてしまっているのです。学校教育で身に付けたことを、本人や家庭に生涯かかわっていける中で指導を受け続けられる、環境が必要なのです。

金剛禅の道院で、親子で少林寺拳法を学ぶことも選択の一つとして考慮されてはいかがでしょうか