基本は大切だけど、発想力も大切です

(今日はフェスティバルのアトラクションの練習です)

少林寺拳法を学んでいると「基本」の動きというものを学びますが、とても大切なのはこの基本を「基礎」と置き換えて、これからあなた方が行う目的に対しての基礎体力や基礎知識といった「根底」を支えるモノだと受け取ってほしいのです。

そして、自分の覚えた基本を絶対とは思わず、自分の力や知識を増すことが出来る様に取り組んで行って欲しいのです。

私は怪我をして以来、左手の握力がほとんどありません。計ったら6キロでした。左手のひらを床に付けると激痛が走り受け身の大車輪(側転による受け身)すらできません。でも、こうして、少林寺拳法を続けられています。

七段を受験に行ったときのことですが、障害があることを先に報告しておくと採点用紙に付箋が貼られ障害があることが記され配慮されるのですが、両手が使えないと出来ないことは多いですよね。例えば、大車輪という受け身は両手を床について側転をしてから構えに戻る形ですが、片手が使えないから大車輪が出来ませんでは、試験官は何を採点したらいいのだ「受験しに来るなよ」と思われてしまっても仕方がありません。

でも「同じようには出来ませんが」と伝えたうえで、片手で側転をして受け身をとればどうですか?審査される法形も手を添えているだけで、基本通りの使い方でなくともしっかりと技が掛けられていればどうですか?

私を採点してくださった試験官はそれらを認めたうえで「今日はとても良いものを見ることが出来ました。障害があって本来なら受験すら難しい状況であるのに、それを工夫と訓練、新しい発想で乗り越えて受験している者がいました。他の基本の技術さえどうなのかと思える受験者よりも、数拾段上の研鑽を積まなければ出来ないものを見ることが出来、喜びさえ感じている。」と皆さんの前で仰ってくださったのです。

後に、食堂で昼食をとっているところに話しかけてきてくださり、「口述試験の方はどうだった」と尋ねられたところに、口述の試験を担当してくださった先生も見えてくださり。お互いの試験時の様子を伝えあい、「素晴らしい!素晴らしい!いい経験が出来た!君の試験官が出来て良かったよ」と褒めてくださったのです。

「出来ないから・・・」と諦めてはダメです。柔軟な発想力を育て、出来るためには何が必要かを考えれば、出来ることは幾らでもあるのです。

 

私はこうして少林寺拳法で得た工夫や柔軟な発想を活かして仕事の中にも応用しています。勤務している会社の中で、私の働いている部署では3人の障がい者の人たちが働いていますが、他の部署の障がい者の人よりも、とても良い働きぶりで「優秀工員賞」を貰った者も育てることが出来ました。

そういう力を皆さんにも身に付けて行ってもらいたいのです。

他を否定する頑固さを捨て、自分の力や知識として取り込む力を育てていきましょう。

 

金剛禅の道院では、皆さんを歓迎しています。ぜひ、お気軽にご見学ください。

                   道院長 江間秀樹

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携帯 090-3835-9109(ショートメールにてご連絡ください)

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