「強くなりたい」という動機で、小学校2年生のとき遠州袋井道院へ入門しました。「道院が好きだから、少林寺拳法が好きになった」そんな子どもでした。
転機は、硫黄島基地(航空自衛隊)勤務でした。戦争の傷跡が生々しく残っている小笠原諸島硫黄島で、開祖が語った戦争の悲惨さを現実のものとしてみたのです。ただ好きでやっていた少林寺拳法が、もっとしっかり金剛禅を学び、金剛禅の布教者、少林寺拳法の指導者になりたいという気持ちに変化した瞬間でした。
30歳で遠州袋井道院へ転籍・復帰し、近藤道院長(遠州袋井道院)から浜松市の専有道場を譲っていただき、道院を新設、道院長になりました。
『少年部』は、「道院が好き」になるように指導します。「道院が好き、楽しい場所」という気持ちを芽生えさせ、自然と「少林寺拳法が好き」になるような指導を心掛けています。また、どの拳士に対しても同じように接することを心掛け、長期的に育成し、自主性を重んじ、リーダーになるよう、いろいろな仕掛けをしています。
『一般部』は、年齢・性別によって、それぞれが求めるものを、少林寺拳法の多様性を生かして指導し、「今日も道場へきてよかった!」と思えるように指導しています。また、仕事で遅くなっても修練できるように、21時30分~22時30分までの1時間を自由修練時間としています。
『少年部』は、まず第一に「道院が好き、少林寺拳法が楽しい」と思える道院を目指します。少林寺拳法を「遊びと同じ感覚まで昇華させること」が目標。「勉強しなさい」という感覚で「少林寺拳法をやりなさい」とは絶対にいいません。「ゲームをやる」のと同じように「自分から少林寺拳法をやる」という気持ちにさせることを目指しています。(達成しています!)
『一般部』は、職場・学校・家庭以外の居場所にすることを目指します。「道院へ行けば仲間に会える。楽しい場所」と思えるようにし、人生100年時代の「きょういく」「きょうよう」「ちょきん」(今日行くところ、今日する用事、筋力を貯める)という場所にします。
「道院は楽しい場所!」これが、拳士全員の同じ気持ちでしょう。少年部も一般部も「笑顔・笑顔・笑顔」と、笑顔が絶えない道院です。
「道院は楽しい場所だから少林寺拳法が楽しい」「少林寺拳法が楽しいから上達する」そんな雰囲気の道院です。浜松渡瀬道院は縦割り社会ではなく、道院長から少年部拳士まで、みんな同じ修行者として和気あいあいと修練しています。
誰もが道院長に対して、なんでも言いたいことを言える雰囲気があります。「家にいるよりも、学校にいるよりも、職場にいるよりも楽しい場所」これが浜松渡瀬道院です!
私は、浜松渡瀬道院へ入門して18年目です。少年部出身で少年部時代には、「主将」を務めていました。この道院では子どもの主体性を育むことを主としているため、私が少年部の時もほとんど自分達で行動し、また大会の演武も自分達で作ってきました。一般部になってもそれは変わらず、大会に出る際は自分達で作っています。
浜松渡瀬道院には老若男女問わず在籍していますが、少年部も一般部も分け隔てなく仲が良いです。受験期等、なかなか道院に顔を出すことが出来ない時期もありましたが、その期間を気にさせない、行きづらさのない道院です。一年に数回、少年部・一般部合同で行う儀式やイベントも行っています。とても愉快な道院です。